« 大忙しだったGW | Main | RENT を観た! »

05/19/2006

「ナイロビの蜂」を見た/Constant Gardener

最近めっきり映画を見る機会が減っている・・・とほほ~。ちょっと忙しすぎ。久しぶりに日曜日の夜、時間を作って「ナイロビの蜂」を見に行った。レイフ・ファインズ&レイチェル・ワイズ、とは何と目に麗しいカップル。そして監督があの強烈な印象だった「シテイ・オブ・ゴッド」の人?どんな映画になるの?と興味深々で映画館へ。アカデミー助演女優賞を取ったレイチェル・ワイズ、どうしても「ハムナプトラ」のヒロインのイメージが強く、勝気な美女って感じ。「スターリングラード」「ニューオーリンズ・トライアル」「コンスタンティン」結構その延長だったような気がする。やっぱりあの顔は控えめ・弱気とは縁遠く、意志が強い印象。今作ではその彼女のイメージプラス、夫への静かな愛情を持った大人の女性という役が良い具合にぴったりと合っていた。体を見せるシーンも多く、肉感的な迫力はなかなか。でもあれ、24歳という設定はちょっと苦しいかも。

323841view001 見る前の私のこの作品への知識はあまりなし。主要キャストと監督のみ。確か、奥さんが死んでまた出てくるんだっけ?ぐらいな。「イングリッシュ・ペイシェント」みたいなラブストーリーなのかなぁ、ぐらいに思っていたので、ストーリーが進むにつれて意外な展開に引き込まれました。ナイロビ・・・ケニアの首都、そうロケ地は、ナイロビのスラム街、キサンガ地区。このスラム街でボランティアをされている日本人、早川千晶さんの公演に行き、大国の都合のいいように利用され、また一部の利権者だけが好きなように暮らすこの国の現状、それでも逞しく、柔軟な心で生きる人々と純粋な子供たちのお話と歌と、スライドで号泣したことがありました。http://chocobreak.cocolog-nifty.com/chocobreak/cat3156266/index.html(過去のblog:知らなかったアフリカ へ良かったらどうぞ。)

ってな事を思いつつ見たのですが、最初は大人しくて、妻を信じているけどあまり彼女の行動には深く関わらない感じだったイギリスの外交官が、妻の不可解な死から、政府と製薬会社の陰謀をあばきつつ、妻の足取りを追い、お互いの愛情を再確認する・・・とストーリーはなかなか深い。もっとも印象深いシーンは、妻を愛していたが実は深くは理解していなかった夫。妻が生前、街から40kmも先に住む子供を助けたい、せめて車に乗せてあげてほしいと夫に頼んだ時、「ここではそういう助けを必要としている人が沢山いる。あの子だけじゃない」と言うと、「でも今は、取りあえず目の前のあの子を助けられる!」と訴えた。しかし夫は同意しなかった。その後のシーンで、夫は事件の鍵をにぎる人物に会いにケニアの奥地へ向かうが、村が他部族からの襲撃に合い、ボランティアに来ていた人達だけが国連のヘリで保護される。現地の女の子を一緒に連れて行こうとした彼にヘリのパイロットは連れて行けないと言い、以前彼が妻に言ったセリフと同じことを言い、彼は妻のセリフと同じ事を言った。彼が妻を本当に理解した瞬間だった。勿論以前の夫もボランテイアに無関心だったわけではないはず・・・だが、初めて緊迫した状況を体験し、自然とそういう気持ちになったのだと思う。こういうセリフ、遠い国の人たちへの援助に関する話題で良く耳にするやり取りだ。だがそんな先進国の人達とは別に、多くの難民達は無言でヘリコプターから走り去るあの女の子のように、自分達の境遇ってそんなもの・・と思っているのも事実なのかも。リアリティのあるすごいシーンだった。

 この夫婦は愛し合っていたのに、「お互いを守るため」にお互いの心の中の深くまで干渉し合わなかった、挙句悲しい結末となった。迷惑が掛かることになろうとも、時に争うことになろうとも、やはり夫婦はお互いを干渉しあうべきではなかろうか。まあ、まさか殺されるとは妻も思ってはいなかったのかもしれないけど。

 この作品は当初、「アフリカが舞台の作品は興行が難しい」という映画界の定説から、一時製作が危ぶまれたそうだが、幸運にもすばらしい監督・キャストも決まり無事に撮ることが出来たそうな。あのブラジルのスラムを描いた監督と撮影クルーだからこそ、ナイロビ郊外のスラムも臆することなく撮影できたのではないかと思う。本当はもうちょっと詳しく、スラム事情が描かれていたらよかったのになぁ、とも思うけど。ちなみに原題の「Constant Gardener」ってどういう意味があるんだろう。アフリカに行ってまでもガーデニングに熱心な主人公の事だと思うが、寡黙で内向的な人のことなのかなー。ちなみに、妻が実はものすごい名家の出身だった、って設定がいかにもイギリスっぽい・・と思ったのは私だけかな。

|

« 大忙しだったGW | Main | RENT を観た! »

Comments

TB、コメント投稿有難うございました。
Sis.cさんのおっしゃる通り、スラム街の撮影も見事でした。
原題については、やはりジャスティンが、アフリカの現実と乖離した、高等弁務官の生活が「ガーデナー」に象徴されていると思いました。もともとのジャスティンはそのようにアフリカと距離をおいていたと思います。けれど、テッサはそうではなかった。

深い愛を感じる映画でしたが、原作読んでみてくださいね。
アフリカは本当に現実として、厳しい、貧しい国です。そのこともいつも頭においておきたいですね。

Posted by: pianocraft | 05/24/2006 at 11:50 PM

pianocrftさん、ありがとうございました。そうですね、まさにそう、ジャスティンはアフリカと距離を置いていたんですね。彼がGardenerである詳細な心の内が原作には書いてあるのでしょうか。テッサの家を一人訪ねて、泣きながら荒れた庭の手入れを、何か決意するかのように始めたジャスティンも印象的でした。

Posted by: Sis.C | 05/25/2006 at 01:41 AM

Sis.Cさん、こんにちは。
やっと観れたのでTBさせていただきました~。

本当に、アフリカの子供たちの屈託のない笑顔には救われました。辛い環境にいても、懸命に明るく生きる人々の姿には胸をうたれます。
>自分達の境遇ってそんなもの・・
まさに“そんなもの”となかばあきらめの境地で受け入れているのか、この子が自ら飛び降りて飛行機を追って走るその目には恨めしいなんてのが微塵もなくて、それが切なかったです。

Posted by: happy-clover | 05/27/2006 at 10:31 AM

happpy-cloverさん、お待ちしてました~ありがとうございます!

どうしてあっちの子供達の笑顔って、あんなに屈託がなくて、澄んでる感じがするんでしょうね。たぶん、自分達の境遇が大変だとは思っていないんでしょうね。だって、今の生活しか知らないから。だからその中で、喜びとか楽しみとかをちゃんと見つけて、感じて生きているんですね。身につまされる思いがしてしまいます・・・

Posted by: Sis.C | 05/27/2006 at 12:29 PM

初めまして。

「戦場の~」にコメントありがとうございました。♪

「ナイロビの蜂」私はすごくグッときた作品です。
テッサの死後ジャスティンがテッサの来た道をたどる事で愛を確認できた。
ジーンとしてしまいました。

>この作品は当初、「アフリカが舞台の作品は興行が難しい」という映画界の定説から、一時製作が危ぶまれたそうだが、幸運にもすばらしい監督・キャストも決まり無事に撮ることが出来たそうな。

そうだったんですか~それは知りませんでした。
確かにアフリカが舞台だとそうかもしれないですね。
私も「アフリカが舞台でも映画としてきちんと成立するのね~」って思いましたもん。
(「ホテル・ルワンダ」もアフリカが舞台でいい作品でしたよねー)

また遊びに来ます。
これからもよろしくお願いします。(*^_^*)

Posted by: Chocolate | 06/01/2006 at 07:45 AM

Chocolate さんありがとうございます。
最近アフリカって、妙に身近な感じがします。(それでも遠いことには違いないのですが・・)アフリカのことについて見たり聞いたりする機会が増えているからかもしれません。
 それって大事だな・・と思いますね。

またいらしてくださいね!

Posted by: Sis.C | 06/01/2006 at 12:33 PM

TBさせていただきました。

噂どおりの名作で、社会派の映画でありながら心から感動しました。

Posted by: タウム | 10/27/2007 at 08:07 AM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/100420/10135901

Listed below are links to weblogs that reference 「ナイロビの蜂」を見た/Constant Gardener:

» ナイロビの蜂 [悠雅的生活]
彼女が私の家 。私は彼女の元へ帰る。 [Read More]

Tracked on 05/20/2006 at 08:25 AM

» 「 ナイロビの蜂 」 [MoonDreamWorks]
監督 : フェルナンンド・メイレレス 主演 : レイフ・ファインズ /  レイチェル・ワイズ/       公式HP:http://www.nairobi.jp// ナイロビの蜂(原題 TheConstantGardener ) サスペンス小説の巨匠ジョン・ル・カレの傑作小説を完全映画化。 監督は...... [Read More]

Tracked on 05/20/2006 at 11:45 AM

» ナイロビの蜂 [日っ歩~美味しいもの、映画、子育て...の日々~]
なかなか見応えのある作品ではあったと思います。けれど、評判のような傑作かということになると疑問も少々...。 英国外務省の一等書記官、ジャスティンは、ナイロビの空港で、スラムの医療設備の改善に取り組む仕事の関係でロキに向かう妻のテッサを見送ります。数日後に帰... [Read More]

Tracked on 05/20/2006 at 07:06 PM

» 「ナイロビの蜂」☆ [∞最前線 通信]
 こんばんは、龍司です 私は夜が好きです。 特に今夜のような休日の前の夜 昼にはない落ち着いた時の流れがあり、優しさがあるような気がします(^^ Blurの「Tender 」という曲を思い出します Tender is the night~(夜は優しい) 今夜は、この曲を聴き... [Read More]

Tracked on 05/21/2006 at 04:17 AM

» 映画「ナイロビの蜂」試写会 [毎日が日曜日blog2]
ナイロビの蜂〈上・下〉 集英社文庫 ジョン ル・カレ (著), J... [Read More]

Tracked on 05/22/2006 at 12:30 AM

» 『 ナイロビの蜂 』 [My Style]
いろいろあって1ヶ月ぶりの映画鑑賞! 観たい映画が目白押しのこの時期・・・まずは 一番観たかった『ナイロビの蜂』を鑑賞。 アフリカの雄大な風景をバックに描き出されていたのは、 夫婦の愛、貧しいアフリカの現状、国ぐるみでの製薬会社の陰謀・・・ ラブストーリー?でもあり、サスペンスタッチな。 去年読んだ『アフリカの瞳』を思い出した。治療を装いエイズの新薬の 治験を行う欧州の製薬会社のこと、貧しいアフ�... [Read More]

Tracked on 05/27/2006 at 10:17 AM

» 「ナイロビの蜂」を見てきました。 [よしなしごと]
 アフリカにおける製薬会社の汚職を命を省みず暴いていく感動作と思ってナイロビの蜂を見てきました。間違ってはいなかったけど、でも、この映画のテーマってラブストーリーだったのね。そんな風には全然思って見に行かなかった・・・。... [Read More]

Tracked on 05/31/2006 at 01:21 AM

» ナイロビの蜂 / The Constant Gardener [きょうのあしあと]
「地の果てで、やっと君に帰る」 監督:フェルナンド・メイレレス 原作: ジョン・ル・カレ 脚本:ジェフリー・ケイン 音楽:アルベルト・イグレシアス 出演:レイフ・ファインズ 、レイチェル・ワイズ 、ユベール・クンデ 、ダニー・ヒューストン 、ビル・ナイ 公式HP:http://www.nairobi.jp/ 鑑賞:TOHO Cinemas Kawasaki ■ストーリー エリートの外交官、ジャスティン(レイフ・ファインズ)は、ガーデニングが唯一の趣味。上司を代理した公演... [Read More]

Tracked on 06/02/2006 at 01:59 AM

« 大忙しだったGW | Main | RENT を観た! »