ブロークバック・マウンテン・・だいぶ前に見たんですが・・
遅くなったのですが・・・
今頃「ブロークバック・マウンテン」の感想を書こう・・と思いまして。実は観たのは今年始め。そのころ、立て続けに3本見て、全部書くpower がちょっとなくて。でもこの作品は見終わった後、考えることが結構多いというか、感情の処理に時間が掛かって、簡単に書けなかったんです、たぶん。
MTVムービー・アワードでベスト・キス賞
たぶん、まじめな賞なんでしょうがこういうのももらっちゃうぐらい、この作品の中のヒース・レジャーとジェイク・ギレンホールのラブ・シーンはすごかったということでしょうか。正直、どう見ていいか戸惑った感じです。
原作は「シッピング・ニュース」でピュリッツアー賞受賞のアニー・ブルー、というのは後で知った。ああ、なるほど。哀しい、でも人の心を暖めるのはやはり人なんだな・・と思わせる繊細な話だった。題材は違うけど、人の心の繊細な部分を美しい自然をバックに、大げさじゃなく淡々と描くイメージは共通しているなあと思った。
ストーリーについては散々語られていると思いますが、男同士の愛情を描いた・・・というのが簡単な紹介方法だが、本当に純愛なんですね。でもそれはやはり罪。美しい山の中で心と体を通わせた二人。ところどころで見せる二人の仕草が本当に観るものを驚かせる。山を降りて普通にじゃあな・・と分かれた後、肩を震わせて泣く。久しぶりの再開での熱いキス。正直、私は混乱してしまった。男女の恋愛であってもここまで熱い情熱を表現することは最近はあまりないのでは?これはむしろやはり、禁断の男同士であるが故に、抑えきれずここまで気持ちが高ぶるということなのか?と。 本当にお互いを愛し合っているんだなぁ・・と思わせるシーンが最後まで続き、純愛ゆえ、見ているこちらは切ない想いを感じることになる。
はっきりとした罪を描いていて、実際作品の中で、その為に、世間で言う罰を受けることにもなるのだが、この作品事態が批判されている様子はない。それはやはり、人間同士の純粋な心の葛藤と切なさがきちんと描かれているからなのだろう。 同性愛とゲイは違うのだ。この作品で言えば、ジェイク演じたジャックはゲイ、ヒース演じたイニスはたまたま同姓を愛したという感じだ。だから二人は生き方が違う。イニスは家族も大切だったし、できれば奥さんとも上手くやっていきたかった。だがジャックを失いたくなかった。人生をかけて一人の人を愛するってすごいことだと思う。その切なさと、重さと大きさがブロークバックという美しい自然と共に静かに観る者の心に語りかけた作品だった。
監督がアン・リーだったので、実は観る前から絶対美しい作品だという確信がありました。「ハルク」は観なかったんだけど、(でも主演はその後「ミュンヘン」に出てるぐらいだから、見てもいいかな・・)その前までの作品は見ている。「いつか晴れた日に」「楽園をください」までは女性かと思っていたんです、正直言って。だって、その前までの台湾映画も女性っぽい作品だし、同性愛出てくるし、名前もアンだし。そういう意味では、繊細で、同性愛について理解している人なんでしょうね。プラス、アメリカ人じゃないからこそ、こういう描き方が出来るんだと思う。
私は個人的に同性愛者の結婚を認めるとか、その権利を勝ち取ってガッツポーズを取ってしまう人達をほめるつもりはない。悪いとは言わないけど、肯定はできない。でも、心の中の大切な部分で築かれてしまった感情や痛みについて、それを知っている人には好感を覚える。ただそれを自分でどう乗り越えるか、で生き方が変わるのだと思う。
Comments
こんばんわっ。
この映画は切なくなりましたねー。
同性愛がどうのこうのとかではなく、
性別を超えた何かを感じましたよ。
ラストシーンはホロリときました。
Posted by: Chocolate | 06/08/2006 at 10:47 PM
chocolateさん、ありがとうございます。
そうですね、近年まれに見る美しい作品でした。純粋な愛なんでしょうね。ラストシーンは本当に切なかったです。
Posted by: Sis.C | 06/09/2006 at 02:12 AM