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10/07/2006

キンキーブーツを見た! Kenky Boots!

 イギリス映画って不思議だ。貴族や上流階級の生活を描いた独特な雰囲気が昔はイギリス映画の定番だった。最近は労働者階級の不況に喘ぐ人々を描くパターンが多い。でも決して湿っぽい話ではなく、シニカルででも逞しくて、そして温かい話が多い。1_800_1

この「キンキーブーツ」もまさにそんな映画の一つ。テイスト的には「フルモンテイ」に近い。倒産するしか道はないのか・・という靴工場を父親の死で相続し、「おれに一体何が出来る?」が口癖みたいになってるチャーリー。しかし工場を立て直すため、ニッチ市場を狙うべき・・・と目をつけたのは、ドラッグクイーンの履く靴!これ、一応実話をベースにしているらいしので、驚きだけどなんとなく納得できる感じ。そして工場を救うべく、アドバイスをするのはロンドンのショーパブのスター、ローラ。黒人の大女、というか逞しい男性なんだけど、ウイットに富んだ会話と独特のファッションセンスとエンターティナーぶりがすばらしく、ショーは満員。ノースハンプトンの片田舎からロンドンへ出てきたチャーリーにはただただ驚き。しかし、やはりドラッグクイーンは日常の街中では軽蔑の目で見らることが多いけど、チャーリーは彼女(彼?)を偶然でも助けてくれた。偏見を見せないというか、拒絶反応を見せないチャーリーに、ローラは親しみを感じる。

 チャーリーとローラの人柄がしっかりと描かれていることにより、ドラマはしっかりしたもになっている。立派な社長として従業員に慕われていた父とは違い、ちょっと頼りないイメージのチャーリーだったが、家業の靴工場を自分の代で潰すわけにいかない、という責任感と従業員達をどうやって守ったらいいかという思いの板ばさみに苦しむやさしい性格。自分とは違う・・と思いつつ、都会の生活に憧れる彼女にもなかなかNOと言うことが出来ない。

 そしてローラ、普通これがハリウッドだったら、もっといかにもゲイのおかしさと、もの哀しさを強調するような描き方をすると思うが、この作品はちょっと違う。落ち着いていて、自分の哲学をもっている。でもやっぱり・・・偏見に満ちた扱いをされるととっても傷つく。それに、とっても女性らしくて可愛らしい。極端な気持ちの上下がない、というか。アメリカ映画の場合、ゲイピープルはかなりインパクトを持って、色物的な要素で描かれることが多い。そうでなければ、惨めさを強調するような描かれ方も多い。しかしローラはとても温かい人という描かれ方をしている。それはウィッグを取り、男の服装をしていてもにじみ出ている感じで、繊細な人間であることが表現された素晴らしい演技だった。

 「偏見や思い込みを無くそう・・・本物が見えてくる」

 3_800 ゲイ=変人 理解できないものに対して人は拒否反応を見せる。田舎町ノースハンプトンの人々は温かい人が多く、以外にもローラはすんなりと受け入れられる。従業員の男性には苦労するけれど、ローラの思いやりある性格に触れ遂に受け入れる。  ドラッグクイーンが履く靴=特殊・理解不能 質の良さと頑丈さが売りの紳士靴を作ってきた工場で、華やかさが売りの靴、作れるのか?? しかし老練の職人達は靴をはく人の特徴を思い描き、そのために必要な靴の性能をすぐさま思い描き設計を始める。胸のすくようなクラフトマンシップ!まさに新商品開発の過程を見るような楽しいシーンだった。 

互いに自分の殻を破ることが出来ず、内心苦しんでいるチャーリーとローラが出会い、お互いに影響されて新しい一歩を踏み出すことが出来た。圧巻のミラノ展示会ショー、チャーリーとローラの仲直り、観客は温かい気持ちと、なんかあたしも頑張ろう~、みたいな元気をもらうことが出来た。しかし、ちょっと気になる・・あの美しい靴の数々。従業員のおばちゃんが説明してくれた、ハイヒールを履くことによって現れる色気の効果!「あたしには無理だな~」と思いがちだけど、思い込みを捨ててちょっとTRYしてみる?なんて思ったりして!

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Comments

こんにちは。早速お邪魔させて頂きました。
優柔不断のボンボンが、しっかりと自己を持って生きているローラと出逢い少しずつ変わっていく感じ、
実話とは思えない程ドラマチックで、面白かったです。

>ハイヒールを履くことによって現れる色気の効果!
私も真似してみようかな……。でも外反母趾なのでやっぱり無理そうです。とほほ。

私もコーヒーとチョコレートなしでは生きていけません☆
またゆっくり他の記事へも寄らせて頂きたいと思います♪

Posted by: bakabros | 10/07/2006 09:14 PM

こんばんは!trackback&コメントありがとうございました!英国映画って大好きです!なんか味があるのですよね。
以前どこかで?記事かTVか?忘れましたが、ハリウッド映画は、ヨーロッパ映画に比べて日常を描く事が極端に少ないなんて...そういえばそうですね。日常を描いて絵になるヨーロッパ映画大好きです!
>チャーリーとローラの人柄がしっかりと描かれている...
そう、人間をしっかりと描いてある映画は観ていて飽きない気がします。

Posted by: margot2005 | 10/08/2006 02:05 AM

初めまして、こんにちわ。
TB&コメントをありがとうございます。
楽しくて素敵な映画でしたね。ローラの魅力は勿論のこと、工場で働く人達も印象深かったです。
>老練の職人達は靴をはく人の特徴を思い描き、そのために必要な靴の性能をすぐさま思い描き設計を始める。
ああ!このシーンには唸りましたよー。素晴らしくプロフェッショナルな姿に、感服しきりでしたもの。自分の仕事に誇りを持って生きているという気がしました。羨ましい!
他の作品にもTBさせて頂きました。今後ともどうぞヨロシクお願い致します。

Posted by: 隣の評論家 | 10/08/2006 10:51 AM

こんばんはー☆
TB&コメありがとうございました!
お返しが今はうまくいかないみたいで。。。ごめんなさい!
またあとで。。。

ローラはとってもチャーミングでかっこよかったですよね♪
ショーのシーンは最高でした!

ハイヒール。。。だんだん履くのがツライのよね。。。

Posted by: きらら | 10/08/2006 09:19 PM

>bakabrosさん、ありがとうございます!

そうですね、チャーリーが行動力のある人に変わっていくのは気持ちよかったですよね。まさかミラノであんなことまでするとは。あれは最大の責任感の現われと見ました。すごいですよね~


>margoto2005さん、ありがとうございます。

なるほど、ハリウッド映画は確かに特殊な出来事とかが多いかもしれないですねー。ヨーロッパ作品は私も大好きです。心理描写が日本人好みと言う感じがします。素直にジーンときたり、じわっと涙が出たりというものが多いですよね。

>隣の評論家さん、
そうですね!私も職人気質が大好きなたちで、真のプロフェッョナルには感服です。ああいう工場の作業や手際のよさを見るのが大好きな現場主義です。なんかああいう地味な作業を行ってくれる人がいるから、華やかなブーツが出来るっていうのがいいですよね。ありがとうございました。

>きららさん、
そうなんですよねー。ラクな靴・・を選びがちな今日この頃。「ブーツのためなら何処へでも行くわ」というローラのこだわり女として見習う余地あり?とか思ったりしてます(^_^.)

Posted by: Sis.C | 10/09/2006 12:34 AM

はじめまして! 先日はTBとコメントをアリガトウございました。TB返しが遅くなってしまって申し訳ありません。

ロンドンの裏路地で会ったチャーリーの「ドラッグクイーンへの偏見の無さ」も人の暖かさを感じましたけど、それ以上に、ノーサンプトンの宿屋のおばあちゃん!彼女の偏見の無さというか、壁の無さには、微笑みながらもジワッと来てしまいました。

ワタシも普段は、ヒールなし!ワイドで丸みのあるつま先の、セクシーさの欠片もない靴なんですけど(^^; ローラを見習って70数センチの筒状のS●●!とまではいかなくても、女性っぽいものを選んでみようかしら…と思うんですけどね。そんなことしたら、電車の中で頭が1個分他の人より飛び出てしまいそうなのでやめときます(苦笑)

Posted by: カル〜★ | 10/10/2006 01:53 PM

カル~★さん、ありがとうございます。
あんなハイヒール、履けたらちょっと楽しいかな・・と思う自分もいますが、本当に履いたらとんでもないことになります,
きっと^^;
 宿屋のおばちゃんしかり、工場のおじいちゃんやおばあちゃんしかり、あの町は出来てる人が多い!って感じで、とても楽しかったです。

Posted by: Sis.C | 10/10/2006 04:56 PM

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