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10/16/2006

フジテレビ・深夜番組:放送禁止5「しじんの村」を見てしまった事

〜事実を積み重ねることが必ずしも真実に結びつくとは限らない〜

・・・あなたには何が見えますか?

こんなちょっと不気味な文字と、小さな枠の映像から始まった深夜のテレビ。

偶然に見てしまったんです、寝ようと思っていたのに。それは、「なんらかの理由で放送禁止のお蔵入りしていた番組内容を再編集して放送する番組・・・」という説明がありました。

ただ、ちょっと気持ち悪い雰囲気の始まり方だったんです。映像の感じが、まるで「リング」の井戸が映っているテレビみたいな感じ。

「放送止5」という名前の番組でした。何も知らなかったんです。普通のよくあるドキュメンタリー風で、それは長野県のとある場所にある、「しじんの村」という名前の、なんらかの原因で社会からはみ出した人達を支えるための施設・・・という説明でした。

 昔東京で中学の先生をしていた時、教え子の自殺を防ぐことができなかった経験があり、それから生きる気力を亡くしてしまった人を助けたい・・という志を持った1人の男性が開いた施設との内容。 実際には8人ぐらいのそれぞれのバックグラウンドを持つ大人達が、本名を隠し、ハンドルネームでお互いを呼びあう形で共同生活を送っている・・という内容でした。

へー、そんな施設あるんだぁ、なんて思いつつ、ちょっと見ているうちに、かなりシリアスな状況がテレビには映り、自殺未遂を図るところ、その後うつ状態で寝込んでいる女性、彼女の姉が以前同じ施設で自殺してしまった事実等々・・・内容はすごく濃くシリアスで、「こんな話をしかも全員ちゃんと顔を写して、放送して大丈夫なのかな・・だからお蔵入りだったのかな・・」などと考えました。途中、精神科医の自殺志願者の心理状態の解説や、自殺に関する統計データなどが、取材映像の合間に挟み込まれ、説得力があったりして。

驚愕のラスト!?何ナノこれ?

しじん というのは、この村の村長が、まるで相田みつおのパクリっぽい感じの、筆で自作の詩を和紙に沢山したためていて、ハンドルネームを「しじん」と名乗っているところからきている。で、この人が時々インタビューに答えて、この施設の目的とか、不安定な状態の村民を心配する様子などが語られている。自殺未遂を図った女性は、他の村民の男性が、自殺したお姉さんと親しかった・・ということから、話を聞くようになり、少しずつその男性に心を開くようになり、他の村民とも交われるようになる。 ところが、突然、その女性を助けたきっかけとなった男性が湖で水死体で発見され、自殺と断定される。 またふさぎ込む女性・・・そして再度、自殺を図る・・。

結局この女性は自殺には失敗し、村を出て消息を絶つ。 この女性の肖像権使用に関する同意が取れていなかったため、この番組は放送できなかった・・というナレーションがあり、つい先月、この女性が消えてから2年ぶりに連絡が取れたとのこと、今はすっかり立ち直り、普通の生活を送れるようになった彼女の短いインタビューで、この番組は終わるかに見えた。ところが、2年ぶりに取材班が訪れた村は誰もいなくなっていた。村長であるしじん が自殺したから、とのことだった。ここで、非常に気持ち悪い感覚に襲われる。自殺をした人のインタビューをそれも2人、普通に放送しているなんて。 そして無人の施設に、置き去りにされた、監視用カメラ機材、録画済みのテープ。 そしてその後、そのビデオテープの不気味な映像がいくつか流される。。。。 自殺した、と言われていた人3名の自殺ではない亡くなり方の映像である。

「何?何なのこれ?」 ものすごく怖かった。気持ち悪かった。恐怖で震えたし、こんなビデオがテレビに流れるってどういう事なんだろう?とわけが判らなくなって、とにかく怖かった。そして、冒頭と同じ言葉、

〜事実を積み重ねることが必ずしも真実に結びつくとは限らない〜

・・・あなたには何が見えましたか? のナレーションとテロップ。 ところがその後、さらに混乱を招く文字が

この番組はフィクションです。 しかし番組内で使用しているデータ資料は本物です。

は!? わからない!どういう意味? あの村の内容は取材テープに適当にストーリーを当てはめたの?でも監視ビデオは本物なの? 恐怖で脳が働かない・・・

結局ほとんど眠ることが出来ず、朝になってしまった。

で、ネットでいろいろ調べたら、この「放送禁止」とは過去に4作品もある、まるでノンフィクションのように見せて作られた、ホラー番組 なのだということがわかった。

http://wwwz.fujitv.co.jp/b_hp/1014kinshi5/index.html

結末がぼやけているため、謎解きの要素も含み、コアなファンはそれぞれの解釈をブログ上で解説してたりして。皆同一に言っているのは、「本当のノンフィクションだと思ってこの番組を見てしまった、という見方が一番楽しめます」

楽しかねーよ!! こっちは怖くて、気持ち悪くて全然眠れなかったんだぞ! この番組は、つまり 数年前に話題になった映画「ブレア・ウイッチ・プロジェクト」みたいなものなのだ。 

私にはわからない。こういう手法をとることで、インパクトの強い番組を作ることで、題材にしている現存の問題を浮き上がらせる・・・という主旨で作られているようですが、怖い、きもちわるい、謎解き、リアリティを追求した脚本設定・・・など、狙いとは全く違う部分で注目され盛り上がっているようにしか見えない。 つまりはホラーなのだ。 

この番組の放映主旨がよくわからない。私のように知らずに見てしまった人は多いようだ。(多くのblogで最後にフィクションだと知った、と書かれているのを読みました。)これを見て、気分が悪くなったり、ウツになってしまう人も現れる可能性は高い。いくらなんでも、やはり、番組冒頭に、はっきりと、ノンフィクションと出すべきだと思う。騙された方が悪い・・・などとは言えないと思う。ここまで、公序良俗に反する内容の映像を流すのだからそれははっきりして置くべきだ。 知ってたら見なかったよ、私は。 視聴者を騙し、混乱の感情を抱かせることによって番組へ惹きつけるなんて、詐欺だ。 ビデオ・DVD販売だけでやってください。または、テレビ放映の際はちゃんと最初からフィクションであることをはっきりと、明示してください。 「それじゃあ、面白くない!」という意見があるのなら、それならその程度の番組なんでしょう、と。まあ、題材があまりにも、厳しい内容だったから、私が受けた衝撃は特別だったのかもしれないが。 

よくないよ。。こういうのは。

プラス、こういう題材の番組を、普通に楽しめる・・という人がもし多いのなら、それはちょっと怖いな、とも思います。ま、自分が見なければいいだけの話なのかもしれませんが。

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Comments

放送禁止を検索していてココにたどり着きました。
ワタシは以前より放送禁止のファンだったのですが、たしかに最初見た時はとても怖くなりました。
でも途中から「もしかしてこの人実は・・・」と考えながら見るようになってました。
最後にフィクションと出て「あぁやっぱり。」と安心しました。
前作まではいかにも演技っぽくしているなど、比較的疑える作風でした。
それでもやはり本気にしてしまっている人も多かったようで製作者側も考えていたみたいです。
>番組冒頭に、はっきりと、ノンフィクションと出すべきだと思う。
とありましたが、番組冒頭で確かに「この番組はフィクションです」と4秒ほどテロップが出ていました。
きっと見逃されてしまったのですね。

Posted by: 通りすがりのものです。 | 10/18/2006 05:04 AM

"通りすがりのものです。" さん、ありがとうございます。
このシリーズファンの方は多いようですね。
(私のblog始まって依頼のアクセス数を記録しているので!)
番組途中の、過去作品のDVDの宣伝もなんか異様な雰囲気で、
好きな人は好きなのだろうと思います。
 
>番組冒頭で確かに「この番組はフィクションです」と4秒ほどテロップが出ていました。

そうなんですか。きっと心理的に忘れてしまったんだと思います。最初は、見よう!と思ってテレビの前で構えていたわけではないので。深夜番組って、そういう見方多くないですか?これを偶然初めて見る人は、念を押されない限り忘れてしまうと思います。まあ、それが深夜という枠の面白さ・・なのかもしれません。
きっと、このblogをお読みいただいた、このシリーズのファンの方は皆さん、「出てたよ」と突っ込んでいらっしゃるでしょうね。

ここまで見た者の心理はすっかりかき回されているわけで、製作者としては大成功というところなのでしょうか・・・

Posted by: Sis.C | 10/18/2006 11:02 AM

私もノンフィクションだと知らずに見たものです。見終わった後、すごい衝撃を受け、ネットで調べまわったのですが、それでやっと、ホラードラマとして製作されたフィクションだということがわかりました、それでもしばらく鬱状態になって、ゆうつな日々をすごすはめになってしまいました。今回の放送禁止シリーズ第5弾はやりすぎですネェ。過去の4本がすべてネットで公開されていたので、思わず全部見てしまったのですが、役者さんたちが露骨に演技していたり、設定に無理があったりと見ている途中ですぐにドラマだとわかるつくりになっていました。過去の4本は、どこかサスペンスの香りを漂わせ”真相はどこに”になんて謎解きのおもしろさもあった。確かに今回のドラマにもその要素はあります。フリークな方たちの分析によるとしじんは自殺したのではなく殺害されたということになるらしいのです。冒頭で登場してくる、自殺した生徒の写真には両親の姿がある。しかし、その姿をよく見ると…その両親はしじんの村の住民でフクと名乗る男性とシュウと名乗る女性ではないですか。ふくとしゅう
つまり復讐のために2人はこの村に現れたと考えられるわけです。自殺未遂ビデオが無造作におかれたその風景は、しじんの変質的な趣味を言い表してもいたのです。つまり、彼は人が死のうとする瞬間をみることで興奮するような人間だった。しじんの教え子が自殺した際にも彼は生徒を救おうとしたわけではなくむしろ楽しんでいた。その真相を知った両親が復讐のために村に現れる。カルマという青年も自殺したということになっていましたが、実は彼は、あの自殺未遂した女性に殺された。カルマは彼女のお姉さんの死に関係がある。いや、殺したのかもしれない…
フリークな方たちはそんな見方をされているようです。でも、あのドラマを見てほんとうにそんな見方ができるでしょうか。ドラマの作り方としては、確かにテーマから離れたところに状況を設定するというのはありだと思います。(現代社会の自殺という問題を追っかけるという設定で復讐というテーマを描く)しかし、今回のドラマにはフリークな方たちがいう復讐というテーマがまるで表に出ていない。表に出ない以上、復讐がテーマといったところで、それは単なる深読みということになってしまいます。ドラマの作り方としては違反行為ですよねぇ。あのドラマはやはりノンフィクションとして見るのが正当な見方だと思います。私がそう勘違いしたとしても笑われるような話ではない。ほんとうに自殺しようかしまいかなんて悩んでいる人がそこかしこにいる、この社会状況であんなドラマを作るなんてやはり不見識きわまりないと思います。

Posted by: 賛同者 | 10/19/2006 01:25 AM

賛同者さん、
しっかりとしたご意見ありがとうございました。
私も見終わった後、blogをいくつか読み、ああ、ファンの人達はこの番組をこういう見方をするんだな・・と思いました。

 現代の問題を浮き彫りにすることが狙いのように、製作者の意図として挙げてあるようですが、もし当初そうだったとしても、既に今はそうでは無くなっているのではないでしょうか。本当にそうなら、まともにそういうノンフィクションを作られるでしょうし。
 そういう現代の病んでる部分を題材にしたトリックを作る意図が、やっぱり私には理解出来ないです。おちょくっているのか?とも思えますよ。
でも、そういう意見の人は少ないのかな・・・と思っていたので、賛同者さんのご意見は、私にとって救いでした。ありがとうございました。

  
 

Posted by: Sis.C | 10/19/2006 01:15 PM

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