05/24/2009

「レボルーショナリーロード」を見た!

休眠から覚めたように・・・超久しぶりに記事を書く。(*^.^*)

 レオとケイト、タイタニックのカップル再び…という話題性が先だったこの作品、監督がケイトの旦那様でイギリス人と知り、今回はある意味二人の演技派の共演が見られるのだな、と期待した。 テイストとしては、ケイト・ウィンスレットのこれまでの作品に近い感じがする。レオは会社勤めの亭主という普通の人の役は無かったはず。でも、二人が夫婦として向き合う姿を見た時、この二人は共演者として相性がいいんだなあ、と思った。脚本が良く、監督も撮りたいものが明確なのだろう。曖昧なんだけど、その気持ちわかる気がする…という、形の無い不安と小さな幸せみたいな物が、人工的に理想的に作られた住宅街を象徴として描かれている。少し極端な描き方ではあるけれど、自分達の未来に沢山の可能性を夢見てたのに、現実の日常は地味でワクワクする事は無くて、だんだん光が消えていく感じがしてしまって「こんなはずじゃなかった」と焦り出してしまう可能性は理解出来る。 

 設定は20世紀始め?電話もアナログ、タイプライターも初期のもの。古き良きアメリカ・・・という雰囲気の残る時代。笑えるのはアメリカ人サラリーマンの出勤風景は、今の日本のそれとそっくりに描かれていること。本当にそうだったのかもしれないけど、皆殆ど同じような色、デザインのスーツで黙々と歩く人達の波。恐らく、つまらない日常の象徴のように描かれていたのかも。

 歯車が狂ってしまった夫婦の最後はとんでもない悲劇で終わる。 

夫は妻との幸せを優先し、妻は自分の幸せを優先した結果の結末だった。女性は男性よりも欲が深い・・・のかもしれない、と思ったりして。

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07/11/2007

「傷だらけの男たち」を見た!

 時間が合ったから、たまたま、封切りされたてのこの作品を見てしまった、というのが正直なところ。「インファナル・アフェア」もなんとなく見たのだけど、ものすごく期待してたわけではないので、儲けもの的におもしろかった。なかなかやるじゃん!という印象だった。それでも、私にとって香港映画はやっぱり香港映画。正直言って、特B級エンターテイメントの粋を脱しないのだが、この作品は"特"はつかない、質の良いB級エンターティメントという感じだった。

センスを感じる映像

 001 とは言うものの、『質の良い』と言えるのは映像にセンスを感じるからだ。香港の夜景、裏通り、捜査員たちの動きや目線、オープニングの映像はその後の展開を期待させるカットで、なかなかカッコよい。ハリウッド映画などとは違う、アジアっぽいカッコよさ、とでも表現するべきか。いかにも香港映画という感じがするところが良い。アンドリュー・ラウの映像は、いつも独自のスタイリッシュが表現されている。部屋のインテリア、ライティングの色、空間の使い方など、おもしろい雰囲気が演出されている。

 しかし、映像はスタイリッシュでも、ストーリー的にはどうか?ものものしい、尾行と派手な逮捕劇のあげく犯人の容疑が婦女暴行ってとこが??しかも逮捕後に犯人の顔を殴りつけることが許されてしまうなんて、トニー・レオン演じるヘイを正義感に熱い男としてみせようとしたのか、若干不思議な演出だけど、それが香港映画だっ!という感じ。そういう意味じゃあ香港映画の王道を行く映画と言える。

役者として成長していた金城武

 個人的には久しぶりにスクリーンで見る金城武も楽しみだった。アル中の役なので、撮003_1 影中も本物のウィスキーを飲んでいたそうだが、確かに本物を飲んでいる感じがする。ただ良いか悪いかわからないが、ウィスキーの飲み方がアル中っぽくない。アル中なのに上品に飲んでいる感じがしたのは私だけか。顔は本当に酔っているみたいに少しむくみ気味に見えるので、本物を飲んでいる効果は出ていたと思う。金城武が役者として成長してると思ったのは、この人の佇まいのせいだ。これまでも表情はそこそこ良かったけれど、セリフまわしを含めて全体的に素人くささが抜けていなくて、正直私は、役者としてこの人は人気と実力が伴ってないとずっと思っていた。カッコいいかもしれないけど、全然いい役者だと思えなかったのだ。しかし、この作品では演技がとても自然で、自分らしい空気みたいなものを表現できていたように思う。大人になったということなのかもしれない。今後が楽しみだ。

後半の詰めがちょっと雑

002_1 この作品が、香港映画だという点を差し引いても、ちょっと後半は詰めが甘いというか、やっつけた感がある。香港や中国の人には簡単なのだろうか?後半は容疑者も含め、数人の名前が出てきて、口頭で説明されるシーンが多いのだが、あちらの名前に馴染みがない私には、それが誰のことを話しているのか、頭をひねる必要があった。重要な名前がスクリーンに映っているはずなのだが、それがどういう意味を持つのか、理解するまで時間がかかるのだ。結局意味がわからなかった人もいるのではないだろうか。この辺りの説明の仕方が少し強引で、残念だった。

現実的に考えると・・・

現実がわからないのでなんともいえないが、香港では警察官は高給なのか? 愛人がいて本妻はオーストラリア、なんて警官もいたし、もと刑事で今アル中の探偵・・・まともな仕事はあまりしていない風の探偵なのに、警官時代からの眺めのよいきれいなマンションに引き続き住んでいる、という設定はあまり現実的ではない気がする。

 設定として善人のイメージの強いトニー・レオンが復讐に燃える役であるのは効果的ではあったが、最後にどうして妻まで殺そうとする必要があったのかがわからなかった。ま、いいか。やっぱり香港映画だし。細かいことは気にせずに雰囲気を楽しむのが香港映画の見方だと私は思っている。

浜崎あゆみ・・・ちょっと興醒め。なんで?とまで思ってしまう。はっきり言って変。おそろしいエイベックス。

スー・チーのきれいで長い足に同性ながらうっとり。トランスポーターの彼女はとっても良かったのに・・・もうちょっと良い使われ方をしてもいいのに。もう少し、彼女の役に意味をもたせてあげてほしかった。もったいない。

ハリウッドがまたもリメイクするらしいが、これまで目を向けていなかった香港映画ストーリー性が斬新に映るのだろう。ハリウッドらしい、上手いリメイクを期待したい。

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05/26/2007

「パイレーツ・オブ・カリビアン・ワールド・エンド」を見た!

 ついに完結!パイレーツ・オブ・カリビアン、公開日である昨日、早速レイトショーで見てきた。最近は話題作の初日は金曜日で土曜日じゃないんだぁ。これは結構賢いやり方かも。金曜日なら、会社帰りに見に行く人も結構多いのではないだろうか。私が見たのは丸の内ルーブルここは現在別な作品を上映しているが、レイトショーのみ、P.O.Cを上映。会場の入りは7割って感じだった。

エンターティメント作品の総決算はすごかったPotc3_group_1024x768_1

 なにしろ、前作のラストがそんまま今作へ繋がっているはずなので、こっちとしては、いやでも期待が高いし、一体どんな風にジャックは登場するのだろう?とワクワクなのだが、こちらの気持ちを裏切らないオープニング。静かに始まり、そして海賊の歌が徐々に盛り上がっていくスタートは鳥肌もの。 

 チョウ・ヨンファの出演でシンガポールが舞台の一つのため期待していたが、この部分はオールセットであるため、思いのほか小さい感じで、ちょっと残念な気がするのは私だけか。ただ小さいなりに、複雑なセットとアジアらしいごちゃごちゃした状態でのアクションや爆破のカットはさすが。そこから一気に対象的な壮大な海へと舞台が移っていくことを考えれば、効果はあるのかもしれない。ただ、もうちょっとチョウ・ヨンファが活躍しても良かったのにな・・・と思ったりして。まあ、出てるだけで効果があるっていう扱いだったけど、仕方ないか。

 とは言え、もともと海賊映画ではあっても、ただの海賊冒険ストーリーではなく、様々なオリジナルな要素が詰まっている作品だけに、エピソードも見せ場も最後まで盛りだくさん、観客は息つく暇もないほど、スクリーンに釘付けという感じだ。

海賊映画の色がより強調されたストーリー

View005 先ほども書いたが、ただの海賊映画ではなく、冒険エンタ-ティメントムービーとしての要素が強いこのシリーズだが、今作は中でもより海賊達が中心のストーリーとなっている。本来、他人を襲い略奪を行う海の荒くれ者=海賊という定義が普通だが、ストーリーの中では明らかにヒーロー、人々の憧れという位置づけ、そのため心意気や海賊という生き方という部分が今回のストーリーの根底にある要素として強く感じ取れた。単純だけど、人々が共感しやすい部分。海賊顔負けなおてんばな令嬢だったはずのエリザベスですら、いつの間にか一人前の海賊、しかもKingになってしまうほど、より骨太な逞しさを身につけている!今回作品の中で、実は最も大変であり最も見せ場が多かったのはエリザベスではないかと、私は思う。

一方では・・・

テーマパークのようにエキサイティングなスクリーンだけど、それだけに少し気になるのは、よほどの予習をしていかないと、観客が内容に置いていかれそうになる要素があということか。良く練られた脚本であまり混乱はしないのだけど、面白いエピソードが盛りだくさんなので、これは何だっけ?どうしてこうなったんだっけ?と、一瞬考えてしまうエピソードが多い。思い出す前に次のシーンが展開してしまうので、忘れてしまいそうになる。映画View003 館の外で、まるでおさらいが書かれているようなチラシが配布され、それを読んで「なるほど~」なんて思ったりして。恐らく配給会社もこの部分は懸念しているのではないだろうか。 直近に1・2作を見直して映画館へ行くひとには、あまり問題はないかもしれないが、両方とも映画館でしか見ていない私のような人は、(それでも前作ほど間が空いていないので、大概は覚えていたけれど)もう一回見て確認したい、という思いに駆られるかもしれない。ま、それも作戦と考えれば劇場側には好都合だ。

いずれにしろ、期待を裏切らない大作であることは間違いない。派手な仕掛けが目印のジェリー・ブラッカイマーだが、最近の彼の作品には必ず多くの演技派個性俳優が出演している。成功しないわけはないではないか。そして個人的に大好きなハンス・ジマーのテーマ音楽!! とにかく何も考えずにカリブの海賊の一員になって楽しもう。冒険もスリルもロマンスも、全てこの映画に詰まっている。

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05/14/2007

「ブラッド・ダイヤモンド」を見た!

 本格的に、映画界はアフリカ・ブームなのだと思う今日この頃。コミュニケーション技術の発展で世界は本当に近くなっているし、資源が豊富なアフリカは経済において、欧米諸国とはダイレクトに繋がっている。

 昨年私が見た映画の中でアフリカが舞台の作品が3本。「ホテル・ルワンダ」「ナイロビの蜂」「ダーウィンの悪夢」 ナイロビの蜂だけはフィクションだけど、ケニア最大のスラム街でのロケを行っており、その現状は十分伝わってきた。ホテル・ルワンダは、「アフリカ映画は当たらない」という映画界のパラダイムにより、アカデミーノミネート作品にもかかわらず日本での公開が危ぶまれてしまった状況だった。それが今はどうだろう?私自身が昨年は多忙により、鑑賞本数が極端に減ってしまったのに、それでもアフリカ作品は3本。見れなかったアフリカ作品は今年も現在までまだある。人々の意識が良い方向に変わってきたのだ・・・と思いたい。Wallpaper3_800x600

とは言え、正直やっぱりアフリカが舞台の作品って、見に行くまで私の中では若干腰が重くなってしまう。題材が重いんじゃないかな・・・とどこかで思っているような気がする。しかし、アカデミーノミナーであるデカプリオの演技を見逃すことは出来ないので、チケットは早々に入手していたため、終わる前に行かなくっちゃ、ということでようやく見に行った。

アフリカが抱える問題の多くが分かりやすく描かれている

 なんだか妙に身構えて、あまり楽しみにしていかなかったのに、すぐに内容に引き込まれてしまった。ストーリーがとても良くできていて、脚本がいい。アフリカが抱える多くの問題が非常にわかりやすく、こじつけではなく自然に描かれていて、説得力があったように思う。こう言うと語弊があるかもしれないが、欧米諸国がアフリカ諸国間の戦争に介入したり、政府を支援しようとしたりしても、それは無駄なのだなと、今は思う。複雑すぎるのだ。その歴史といい、人種・部族間問題といい、そして人々の意識・文化・性質の違い・・・さらにそこに現在もなお、先進諸国の身勝手な行いが入り込んで、事はより複雑になっていく。326034view005 作品中に「援助をしようとやって来ても、結局みんな何も変えることができなくて、疲れて帰っていく」というようなセリフがあった。欧米人が自分達の感覚で、自分達の物差しでこの国の人達を見て、状況を計って、自分達の感覚で人助けをしようとしても、価値観が違うアフリカの人達には決して全てが有効に働くとは限らないということだ。暴力による政治改革という名の横暴により、多くの難民が生まれている現状と、むりやり人殺し集団に洗脳される少年兵、アフリカの地を食い物にしようとする先進国・・・、それでもアフリカの大地を愛し、消してこの大陸を出ようと思わない人が殆どなのだ。アフリカ人だから。殺されてしまったバーテンダーは、その典型として描かれていたと思う。

本当に素晴らしかったデカプリオ

私はディカプリオのファンである。それは、彼の演技が上手いからで、見た目のファンではない。これまで個人的に勝手に残念に思ってきたことは、彼の演技の上手さは、そのアイドル的人気のために正当に評価されずらかったことだ。「ギルバート・グレイプ」を見た後、ビデオで「ボーイズ・ライフ」を見て、この子はすごいと思った。その後、日本で公開された彼の映画は全て見ているが、年を重ねると共に、役者としてきちんと成長してきていると思う。「ディパーテッド」とこの作品はあまり間が空かずに見ることが出来て(レオにしては・・・だけど)うれしい。 不思議ななまりの英語を話し、今まで一番タフに見える役。かなりの悪なのに、やっぱり繊細な部分は残っている?と自分の持ち味をきちんと生かしたキャラクター作りに成功している。

 人を変えることができるのは、やはり人の心

Blood_d_800x600_1  多くの支援団体やジャーナリストが乗り込んでいるにもかかわらず、この国の現状が変わらないのは、人々の気持ちや考え方が変わらないから。しかし、自らの執念、子供への強い愛で、必死に前進しつづけたソロモンは、結局自らの手で運命をつかんだのである。そんなソロモンと行動を共にするうち、徐々に何かが変わり始めるアーチャー。ソロモンのような愛のための必死の行動が、自らの進む道を開きアフリカの国々を中から変えていけるのだと思う。必死でダイヤを追い求めながら、進んでいくアーチャーとソロモンを見ながら、アフリカを救えるのはアフリカ人以外ないのであると悟らされたような気がする。

赤土を血まみれの手で握り締めるアーチャーの姿に、涙しそうになったのは自分では以外だった。悪人のはずだったのに、最後には変わっているのは甘くないか?と思う人もいるだろう。個人的には、この辺は環境が彼の人間性を成型してしまっていたのだが、ソロモンとマディに出会い、また何人かの暖かい人との出会いにより変化が起こっていったと理解した。多少の設定の甘さは目をつぶりたい・・・。はっきりとしたラブ・シーンがないままに、お互い愛し合っていたアーチャーとマディの、妙にロマンティックな切ないラストの電話シーンを素直に良かったと思いたいからだ。

個人的にアフリカの子供たちや医療のために活動している団体へ小額だが寄付をしているのだが、正直言って、私には何もしてやれないから・・と思っている。現地へ行ってみたい!と思った時期もあった。でも今は、私が現地へ行ったとしても結局は何も出来ずに帰ってくるだろうと思う。彼らは、私が思うよりもずっと力強くて、したたかに生きているのだろう、とも。せめて、それでも現地で頑張って活動している団体を間接的に応援していきたい。ちなみにダイヤモンドについては・・・はは、とりあえず、自分で買うことはなく、私には縁遠いものなので、紛争ダイヤへの意見は私個人は特になし!!

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05/07/2007

BABEL・・バベルを見た!

 ずいぶん長い間 このブログに書き込みをしていなかった。あまりにも仕事が忙しく・・・というのは事実であるが、やはりそれは言い訳になってしまうか。 しかし当然映画を見る時間も減ってしまっていた、とほほ。 GWになって、ようやく映画館へ足を運び、このBlogへも戻って来れた。ハー、映画を見ないと精神的に不健康になってしまう!!

 ようやく公開された感じのバベル。ずいぶん前からブラッド・ピット、ケイト・ウィンスレットと役所広司が競演!ということで話題になり、その後は、菊池凛子の各賞ノミネートで話題はずいぶんと盛り上がっていたから、本当に多くの人がこの映画の名前を知っていただろう

  題名から想像させられたものBabel_morocco_1024x768_1

モロッコ・アメリカ・メキシコ・日本で、場所と時間と人がクロスしながら進行していくストーリー。『バベル』という題名が連想させるに、人間同士のコミュニケーションのずれから生じる、哀しいストーリーなのかな・・・と想像していた。確かに。ただし、コミュニケーションが上手く行かなくて・・・ではなく、もっと根本的なもの、伝えたいのに伝えきれない気持ち、わかってもらいたいのに分かってもらえない寂しさ、のようなものが描かれていたと思う。 実際はこの監督の過去の作品「21グラム」と主題が共通しているような気がしたのは、私だけか。

 本当に頑張っていた菊池凛子

 325136view006 それにしても、驚いたのは本当に菊池凛子のインパクトは強かった。まさに体当たりの演技。聾唖の演技に加え、女子高生の年代ならではの屈折した複雑な悲しみを、力強く演じていた。この作品の中で、最も印象的なキャラクターだったことは間違いない。このチエコを描いた監督の感性はちょっとすごいと思った。以前ロケハンで日本に来た時、聾唖の女子高生たちを見たのだそうだ。そのときの様子を観察し、イメージを膨らませていったらしい。クスリとか夜遊びにおぼれる高校生の世界を私は知らない。まあ、それは寂しさから走ってしまう行動だとは思うけれど、ただなんとなく、これが日本人監督のエピソードだといわれても違和感がない気がする。俳優達がちゃんと日本人の話を演じていた証拠だと思う。

  人間は哀しい罪を背負っている

  この作品の中には、いわゆる本当の悪人は出てこなかったと私は思う。メキシコ人のベビーシッターの甥だって、根は悪い奴ではなかったはず。事件の発端の、ライフルを撃ってしまった兄妹だって、負けず嫌いの見栄っ張り、子供ながらの思慮不足から起こしてしまった事件。怖くなって逃げてしまったことから事件がどんどん大きくなってしまった。自分を責め相手を責め、いつの間にか心が通わなくなってしまった夫婦。お互いを思いやりたいのにそのきっかけと方法を忘れてしまった父と娘。必ず怪しまれてしまう移民という素性、不幸な偶然、誤解を堂々と撥ね退けることが出来ない心の弱さ。それぞれのストーリーで描かれる登場人物たちは、聖書的には皆罪を背負った人間だ。それに気づくと、この作品の題名が「BABEL バベル」である意味がうなづける。 人には、自分の力ではどうすることもできない事が必ずあるのだ。そしてそれを認め、大変な試練を経験した時、大きな祝福はやってくる。ああ、そう思うと、まるで日本のエピソードで描かれている高層マンションはバベルの塔にも例えられるのか。そして、神様からコミュニケーションのための共通言語を奪われてしまった親子・・・は考えすぎか。

  325136view007豪華キャストでありましたが

 ブラピとケイト・ウィンスレットの夫婦は「シェルタリング・スカイ」を思わせるような夫婦だった・・・冷えた夫婦は現実から離れた過酷な自然の地へ旅行するのが、欧米人のイメージなのか?っとここまで書いて、ああ、この二人が演じた「シェルタリング・スカイ」を見てみたいと思ってしまった。 イメージを壊すため長いこと四苦八苦していたようにも見えるブラッド・ピットだけど、ようやく普通の人のドラマを演じられる年齢になったのだな、と思った。まあ、それでもハリウッドは、彼が普通の人を演じることを許さないかもしれないけど。

 せっかく、ガエル・ガルシア・ベルナル出てたのに、なんだか今回貧乏くじ?325136view014ちょっと彼の魅力出し切れてなかった感じがする。あ、でもそれが彼の狙いなのだろうか?  ハリウッド・スターとはちょっと違って外見の華やかさとは違うクセのあるキャラクターを演じることが多いみたいだし。個人的には、おばさんを置き去りにして逃亡したまま、出てこなかったのはちょっと残念・・・なんて思ったりして。

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01/26/2007

An inconvenient truth-「不都合な真実」を見た!

ドキュメンタリー好きの私は、テレビやDVDでドキュメンタリーを見ることはよくある。でも最近は映画館でも徐々にドキュメンタリー映画を見る機会が増えてきている。映画館でまでドキュメンタリーを見るこたぁない・・と最初は思っていたのだけれど、気になる作品が最近は増え、またおもしろい、というか考えさせられることも多く、つい見てしまう。Futugou_1 今日見た1本もその一つ、 「不都合な真実」 副題は A GLOBAL WORNING。 シャレみたいだけど・・・地球温暖化~Global Warmingへの警鐘、どころじゃない、警告、サイレンのような作品。 

私はアル・ゴアさんのことをあまりよく知らなかった。 大統領選挙でブッシュにフロリダ開票の悲劇で敗れた、元副大統領。結構良識があったらしく、ハリウッドでも応援している人が多かったみたい・・・というくらいしか知らなかった。この映画の予告を見た時、「あ、久しぶり、現在は講演活動で食ってらっしゃるのね・・」ぐらいにしか思わなかったのだが、映し出される映像や、温暖化対策に極端に消極的なわがままな国において、どんな風に講演をしているんだろう・・と興味があって、見たのでした。

正直なところ、新鮮な驚きはなかったが・・・ 

ゴアさんは、50年代の終わり大学生の時、地球上のCo2の観測・研究をされている教授に出会い、地球温暖化について興味を持ち、依頼ずっと学んでこられていたという。自分の子供達のために、自然が残っているちゃんとした地球を残してあげたいという願いもこめて。まさに地球温暖化の事実を人類に訴え、皆で協力して食い止めよう、と呼びかけることを現在はライフワークにされているという。その説明は非常に分かりやすく、説得力がある。時折、アニメーションも使用し、ユーモアもはさみながら説明するあたりは、さすがアメリカの政治家である。実際、地球温暖化の影響で起こっている現象の説明には、すでに日本では語られていることが多く、新鮮な驚きは無かったが、実際に無くなってしまったキリマンジャロの雪山や、消えようとしているグリーンランドの映像などを見ると、温暖化の恐ろしさを再認識する。

希望はあるのか・・・?

なにしろ、先進国を中心に、みんなで地球の環境のために守ろうと締結された京都議定書の決定を「うちはムリ」と同意をとりやめた、世界一のCo2排出国、アメリカ。彼らの思考は自分達の利益=大企業の利益が何より優先という傾向がはっきり。社会的責任なんて二の次。不思議だが、健康オタクも多く、現在では神経質すぎるくらい喫煙の規制が厳しい国なのだから、本当に環境のことを考えるようになれば出来るはずなのに。そう、環境のことを考えると規制をうけ、ビジネスに打撃を受ける業界の力が大きいから、政治家は何もできないでいるわけです。

ゴアさんは、政治家としてずっと環境問題を訴え続けてきた。上院議員だったころの委員会での映像は、日本人からすると冷笑してしまうようなものがあった。父親の方のブッシュ大統領が、「国民の経済利益よりも自然環境を優先しろ、などと言う男を信頼できるか!」と力説し、拍手喝采が起こっているシーンがあった。「それ、当然でしょ?地球環境より自国の金儲けを優先するのが正しいと言ってしまう大統領でいいのか!?」と、突っ込みをいれたくなってしまった。 

最後、とにかく危機感を訴えた上で、まだ大丈夫、みんなで力を合わせ意識を変えれば、温暖化の進行を抑えることは可能だ、という前向きな雰囲気のラスト。いかにもアメリカ的な感じだが、まだ希望はあるんですよ、と言ってもらえて少しありがたい。でも、桁違いに環境に影響力があるアメリカが変わってもらわなくては本当困る、ということも再認識してしまった。これ、テレビではなくて映画なのは、より多くの人、多くの国でも見て欲しいという目的からなのだろうか。これからもなにかと難しいアメリカ国内で、温暖化対策を訴え続けて頑張って欲しい。3番目に国民一人当たりのCo2放出量が多い日本国民としても、守ろう10の事柄(以下から見れます!)を、なるべく守るよう努力してみようと、思うのでした。本当は貧しくつつましい生活なので、結果結構守れてるんけどね。(~_~;)

「10things.pdf」をダウンロード

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*ちなみに、もしアル・ゴアが大統領だったら・・と思う人は少なくないでしょうね・・・。人類の歴史って、そんなもんですよね、残念なことに。

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11/20/2006

「サンキュー・スモーキング」を見た!

ディベートって?Img_nick_1

アメリカは自由の国、という言葉がその象徴として使われているが、好き勝手自己主張していいさ、だって自由の国だから・・という使われ方をしているように思える時が多い。だから、それぞれ思惑の違い・利害関係・価値観の違いでしばしば社会において摩擦が起こる状況は日常茶飯事、日本よりも断然多いのではないだろうか。だからこそ、アメリカにはディベートというもの(習慣の一つというべきか?)が存在する。

物を知らない私はディベートについて初めて知ったのは、社会人になって何年も経過してからだった。バブル崩壊後のショックから立ち直りつつあった日本経済は、ちょうど外資系企業がヒタヒタと黒船のようにやって来た頃だろうか。アメリカ式経営やらMBAを日本企業にどう生かすか?みたいな文字が雑誌に躍りまくっていた頃、ディベートの本をちょこちょこ見かけるようになり、立ち読みしたのが初めてだった。議論てこと?んー、議論することだけど、いかに上手く議論をして負けないかってことらしい・・、職場の先輩にそんな話をしたら、「あんたいつもやってる事だよ」と言われた。なにを~!その時は先輩がいつも私に口では叶わない風であったため、人聞きが悪い、などと思ったが、ディベートについて少しずつ理解を深めていくと、ビジネスパーソンがその能力に長けていたら、かなりプラスになるだろうな、と思うようになった。

いかにもアメリカらしい職業

Thank_you_smoking 前置きがやたら長くなったが、この映画はまさしくその才能を存分に発揮する男のお話である。自分が気分を害したら、不利益を被ったと思ったら、とにかく誰かを訴えてしまう国、アメリカでは企業が訴えられることもよくあるが、タバコ訴訟は大きなニュースになった。主人公はタバコ研究所所属のスポークスマン、つまりたばこ業界のセールスマーケティング担当、たばこの宣伝マンのような人。大統領にだっていわゆる広告担当がついている国。どんな物にもイメージ戦略は欠かせない。アピール方法一つで、国民の、視聴者の、感情は大きく左右され、もたれるイメージが変わる・・・それを操作する人、なのだ。人呼んで「情報操作の王」!

いかにして、すでにイメージが悪くなっているタバコ業界のため超人的な彼が奮闘するというお話?・・・なのかと思ったが、それもあるが、本質はちょと違っていて、むしろディベートの本質を描いているような話だった。彼はたまたま、たばこ業界のために働いている、なぜなら才能を発揮できるから。それは人を煙にまくような手法なのかな?と勝手に想像していたが、それもあるがそれだけではなく、意外にも彼はとても誠実で人間らしい人柄。そして彼の主張は理路整然としていて、観客は彼の説得力ある主張に感心し、これがディベートというものなのか、ということをわかりやすく見せてくれる。

ちょっといいエピソード・息子との関係

また彼の技術を、息子に生活の中で説いて見せるところもとても面白い。「これは議論ではない、交渉だ。」とか。テレビに出たりで有名だけど、なんだか人に誇れる仕事をしていないみたいに思われがちな父親・・結婚生活は上手くいかなかったけど、息子だけは大切にしたい、そんな父と子の関係もきちんと描かれていた。出張に息子を連れて行くシーンは、とても素敵だ。自分の仕事に誇りを持っていることがわかるし、息子に普段自分が教えていることを、実際に自分の目で確かめろ、と言っているかのようだった。親友が同様にアルコールと銃のスポークスマンだったり(3人でMODS特捜隊!)、ハリウッドやテレビのトークショーなどアメリカらしいエンターティメントの世界を見せるシーンも多く織り込まれていて、観客は飽きない。クライマックスシーンの公聴会での彼の主張が、とってもあたりまえで道徳的、だけどそれを堂々と公共の場で言ってのける人はいないよね、という内容で、何でも人のせいにして訴訟を起こす国、アメリカへ正々堂々と意見しているようだった。自分の行動や選択は自分が責任を持つべきなのだ!!プラス、最近の日本の社会にも、こういう傾向あるよね、と大きくうなづいたりして。他人を説得できる人は、口先や建前だけではなく、きちんとした信条を持っているのだ、と言ってるようでとても爽快だった。

 期待以上の作品で、今の所、今年見た映画の中で上位3本に入るおもしろさ。知的辛口ヒューマンコメディとでも言おうか。大人向きの上質な一本である。

監督はコメディ作品の第一人者アイバン・ライトマンの息子、ジェイソン・ライトマン、これがデビュー作。今後がとても楽しみな監督である。主役のアーロン・エッカート、ケツあご(失礼!)で口も大きいけど瞳がバンビのようで憎めない人。そして息子役キャメロン・ブライト君は既に「X-men」等々活躍中、今後絶対に目が離せない男の子です。

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10/17/2006

「ワールド・トレードセンター」を見た!

あれから5年・・・偶然なのか敢えてなのか知らないが、同年に9.11関連の映画が2本。一本は飛行機の方、もう一本は激突したビルを舞台にした作品。しかし、描かれている主題は大きく違う。

 なにしろオリバー・ストンだから!と身構えてしまったが・・・ 325029view001

 戦争だろうが、ニューヨークに暮らす現代人だろうが、歴史上の人物だろうが、なにしろオリバー・ストーンが描くと何でも極太、ものすごくテンションを感じて、大体途中でちょっと疲れてしまう。これは一体どうなんだろう・・・と正直おそるおそる見た。普通の朝のはずだった・・・日常の湾岸警察の一日が始まった・・というところから、突然、それはやってきた。遠くで聞こえる爆音。本部のテレビで見る煙の上がるトレードセンター。とりあえず、ビルの中にいる人を救助に行くためバスで一団が向かう。十分な情報を得ていないため、皆一様に落ち着かない様子の警官達。そしてビルに近づいて来た時、恐怖による心臓発作からか、歩道で倒れている男性をバスから全員眺めながら、何かとんでも無いことが起きている・・・ということを感じるシーン。 そして、混乱が予想されるビルの中に入る警官を募り、お互いを気遣いながら、勇気を出して志願する数名。そこからビルに入り、崩壊、下敷きになってしまうまで、ストーリーは流れるように、あっという間に描き上げている。

 なんとちゃんとした温かいヒューマンドラマだった!

325029view008ビルの崩壊シーンや、瓦礫に埋まってからも絶えず訪れる火災や崩壊の恐怖の描き方はさすが。観客はつらくて、顔をしかめながら見ることになる。しかし、いつものように、段々疲れてしまったり、必要以上にテンションの高さを感じるようなことがこの作品ではない。何故だろう?   それは、この作品がきっちりと「人の生命力」「人が助け合うということ」「他人を想いやるということ」という部分にフォーカスをあてて描かれているからだろう。人間愛、それがどんなに強いものかということがこの作品では描かれている。

 いろいろな人がこのビルでは犠牲になっているし、もっと違った描き方もできたのでは?とい意見もあるかもしれない。だが私はこの作品で一番描きたかったのは最後のナレーションであったように、「人が人としてするべきこと、正しいことを行うことが、大切なのだ」という事なのだろうと思う。これは、何も非常事態の時のことを言っているのではない。日常生活の中で、普段の私達が皆それぞれ、他人を大切にし、人として正しいことを行う暮らし方をしていれば、世界は自然と平和になっていくだろうと、私は思う。簡単そうで実はとても難しい。だからこそ、このような非常事態時に、あらためて気づくのだ。

オリバー・ストーンが描く神の救い

瓦礫に埋まった二人を夜通し捜索し、発見してくれた海兵隊員は、実は普通の会社員で、325029view003 以前海兵隊員だったが、神から啓示を受け、ビル崩壊現場で救助活動を行うことが、自分の使命なのだと信じて一人やってきた男性だった。そして、瓦礫の中で意識が薄れていくヒメノが見た夢は光を持ってやってくる、イエス・キリストの夢。必ず助かると言われたと。私は、このエピソードを描いたオリバー・ストーンはやっぱりすごいと思った。実は、ワールド・トレードセンターから無事生還した人の中に、イエス様や天使に助けられた・・という人の話はいくつかある。これは、本当に修羅場を経験した人のエピソードである。安易なストーリー展開はありえないオリバー・ストーンが、このエピソードを描いたということは、やはり、この監督は自ら修羅場を経験している人なのだと私は思う。(ちなみに、これはやっぱり、クリスチャンじゃないと理解しづらいだろうか?)

  

 急にいつものギラギラした感じが抜けて、年を取ったように見えたニコラス・ケイジ、もちろんこれは演技なのでしょうが、こういう役もありなんだな、と思ったりして。ヒメノ役のマイケル・ペーニャ、「クラッシュ」に続き印象的な役。とても良かった。個人的には、後半ちらっと、出てた、スティーブン・ドーフがえらく老けちゃってたのが、ちょっと衝撃。役作り?ではないよね・・・。

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10/16/2006

フジテレビ・深夜番組:放送禁止5「しじんの村」を見てしまった事

〜事実を積み重ねることが必ずしも真実に結びつくとは限らない〜

・・・あなたには何が見えますか?

こんなちょっと不気味な文字と、小さな枠の映像から始まった深夜のテレビ。

偶然に見てしまったんです、寝ようと思っていたのに。それは、「なんらかの理由で放送禁止のお蔵入りしていた番組内容を再編集して放送する番組・・・」という説明がありました。

ただ、ちょっと気持ち悪い雰囲気の始まり方だったんです。映像の感じが、まるで「リング」の井戸が映っているテレビみたいな感じ。

「放送止5」という名前の番組でした。何も知らなかったんです。普通のよくあるドキュメンタリー風で、それは長野県のとある場所にある、「しじんの村」という名前の、なんらかの原因で社会からはみ出した人達を支えるための施設・・・という説明でした。

 昔東京で中学の先生をしていた時、教え子の自殺を防ぐことができなかった経験があり、それから生きる気力を亡くしてしまった人を助けたい・・という志を持った1人の男性が開いた施設との内容。 実際には8人ぐらいのそれぞれのバックグラウンドを持つ大人達が、本名を隠し、ハンドルネームでお互いを呼びあう形で共同生活を送っている・・という内容でした。

へー、そんな施設あるんだぁ、なんて思いつつ、ちょっと見ているうちに、かなりシリアスな状況がテレビには映り、自殺未遂を図るところ、その後うつ状態で寝込んでいる女性、彼女の姉が以前同じ施設で自殺してしまった事実等々・・・内容はすごく濃くシリアスで、「こんな話をしかも全員ちゃんと顔を写して、放送して大丈夫なのかな・・だからお蔵入りだったのかな・・」などと考えました。途中、精神科医の自殺志願者の心理状態の解説や、自殺に関する統計データなどが、取材映像の合間に挟み込まれ、説得力があったりして。

驚愕のラスト!?何ナノこれ?

しじん というのは、この村の村長が、まるで相田みつおのパクリっぽい感じの、筆で自作の詩を和紙に沢山したためていて、ハンドルネームを「しじん」と名乗っているところからきている。で、この人が時々インタビューに答えて、この施設の目的とか、不安定な状態の村民を心配する様子などが語られている。自殺未遂を図った女性は、他の村民の男性が、自殺したお姉さんと親しかった・・ということから、話を聞くようになり、少しずつその男性に心を開くようになり、他の村民とも交われるようになる。 ところが、突然、その女性を助けたきっかけとなった男性が湖で水死体で発見され、自殺と断定される。 またふさぎ込む女性・・・そして再度、自殺を図る・・。

結局この女性は自殺には失敗し、村を出て消息を絶つ。 この女性の肖像権使用に関する同意が取れていなかったため、この番組は放送できなかった・・というナレーションがあり、つい先月、この女性が消えてから2年ぶりに連絡が取れたとのこと、今はすっかり立ち直り、普通の生活を送れるようになった彼女の短いインタビューで、この番組は終わるかに見えた。ところが、2年ぶりに取材班が訪れた村は誰もいなくなっていた。村長であるしじん が自殺したから、とのことだった。ここで、非常に気持ち悪い感覚に襲われる。自殺をした人のインタビューをそれも2人、普通に放送しているなんて。 そして無人の施設に、置き去りにされた、監視用カメラ機材、録画済みのテープ。 そしてその後、そのビデオテープの不気味な映像がいくつか流される。。。。 自殺した、と言われていた人3名の自殺ではない亡くなり方の映像である。

「何?何なのこれ?」 ものすごく怖かった。気持ち悪かった。恐怖で震えたし、こんなビデオがテレビに流れるってどういう事なんだろう?とわけが判らなくなって、とにかく怖かった。そして、冒頭と同じ言葉、

〜事実を積み重ねることが必ずしも真実に結びつくとは限らない〜

・・・あなたには何が見えましたか? のナレーションとテロップ。 ところがその後、さらに混乱を招く文字が

この番組はフィクションです。 しかし番組内で使用しているデータ資料は本物です。

は!? わからない!どういう意味? あの村の内容は取材テープに適当にストーリーを当てはめたの?でも監視ビデオは本物なの? 恐怖で脳が働かない・・・

結局ほとんど眠ることが出来ず、朝になってしまった。

で、ネットでいろいろ調べたら、この「放送禁止」とは過去に4作品もある、まるでノンフィクションのように見せて作られた、ホラー番組 なのだということがわかった。

http://wwwz.fujitv.co.jp/b_hp/1014kinshi5/index.html

結末がぼやけているため、謎解きの要素も含み、コアなファンはそれぞれの解釈をブログ上で解説してたりして。皆同一に言っているのは、「本当のノンフィクションだと思ってこの番組を見てしまった、という見方が一番楽しめます」

楽しかねーよ!! こっちは怖くて、気持ち悪くて全然眠れなかったんだぞ! この番組は、つまり 数年前に話題になった映画「ブレア・ウイッチ・プロジェクト」みたいなものなのだ。 

私にはわからない。こういう手法をとることで、インパクトの強い番組を作ることで、題材にしている現存の問題を浮き上がらせる・・・という主旨で作られているようですが、怖い、きもちわるい、謎解き、リアリティを追求した脚本設定・・・など、狙いとは全く違う部分で注目され盛り上がっているようにしか見えない。 つまりはホラーなのだ。 

この番組の放映主旨がよくわからない。私のように知らずに見てしまった人は多いようだ。(多くのblogで最後にフィクションだと知った、と書かれているのを読みました。)これを見て、気分が悪くなったり、ウツになってしまう人も現れる可能性は高い。いくらなんでも、やはり、番組冒頭に、はっきりと、ノンフィクションと出すべきだと思う。騙された方が悪い・・・などとは言えないと思う。ここまで、公序良俗に反する内容の映像を流すのだからそれははっきりして置くべきだ。 知ってたら見なかったよ、私は。 視聴者を騙し、混乱の感情を抱かせることによって番組へ惹きつけるなんて、詐欺だ。 ビデオ・DVD販売だけでやってください。または、テレビ放映の際はちゃんと最初からフィクションであることをはっきりと、明示してください。 「それじゃあ、面白くない!」という意見があるのなら、それならその程度の番組なんでしょう、と。まあ、題材があまりにも、厳しい内容だったから、私が受けた衝撃は特別だったのかもしれないが。 

よくないよ。。こういうのは。

プラス、こういう題材の番組を、普通に楽しめる・・という人がもし多いのなら、それはちょっと怖いな、とも思います。ま、自分が見なければいいだけの話なのかもしれませんが。

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10/07/2006

キンキーブーツを見た! Kenky Boots!

 イギリス映画って不思議だ。貴族や上流階級の生活を描いた独特な雰囲気が昔はイギリス映画の定番だった。最近は労働者階級の不況に喘ぐ人々を描くパターンが多い。でも決して湿っぽい話ではなく、シニカルででも逞しくて、そして温かい話が多い。1_800_1

この「キンキーブーツ」もまさにそんな映画の一つ。テイスト的には「フルモンテイ」に近い。倒産するしか道はないのか・・という靴工場を父親の死で相続し、「おれに一体何が出来る?」が口癖みたいになってるチャーリー。しかし工場を立て直すため、ニッチ市場を狙うべき・・・と目をつけたのは、ドラッグクイーンの履く靴!これ、一応実話をベースにしているらいしので、驚きだけどなんとなく納得できる感じ。そして工場を救うべく、アドバイスをするのはロンドンのショーパブのスター、ローラ。黒人の大女、というか逞しい男性なんだけど、ウイットに富んだ会話と独特のファッションセンスとエンターティナーぶりがすばらしく、ショーは満員。ノースハンプトンの片田舎からロンドンへ出てきたチャーリーにはただただ驚き。しかし、やはりドラッグクイーンは日常の街中では軽蔑の目で見らることが多いけど、チャーリーは彼女(彼?)を偶然でも助けてくれた。偏見を見せないというか、拒絶反応を見せないチャーリーに、ローラは親しみを感じる。

 チャーリーとローラの人柄がしっかりと描かれていることにより、ドラマはしっかりしたもになっている。立派な社長として従業員に慕われていた父とは違い、ちょっと頼りないイメージのチャーリーだったが、家業の靴工場を自分の代で潰すわけにいかない、という責任感と従業員達をどうやって守ったらいいかという思いの板ばさみに苦しむやさしい性格。自分とは違う・・と思いつつ、都会の生活に憧れる彼女にもなかなかNOと言うことが出来ない。

 そしてローラ、普通これがハリウッドだったら、もっといかにもゲイのおかしさと、もの哀しさを強調するような描き方をすると思うが、この作品はちょっと違う。落ち着いていて、自分の哲学をもっている。でもやっぱり・・・偏見に満ちた扱いをされるととっても傷つく。それに、とっても女性らしくて可愛らしい。極端な気持ちの上下がない、というか。アメリカ映画の場合、ゲイピープルはかなりインパクトを持って、色物的な要素で描かれることが多い。そうでなければ、惨めさを強調するような描かれ方も多い。しかしローラはとても温かい人という描かれ方をしている。それはウィッグを取り、男の服装をしていてもにじみ出ている感じで、繊細な人間であることが表現された素晴らしい演技だった。

 「偏見や思い込みを無くそう・・・本物が見えてくる」

 3_800 ゲイ=変人 理解できないものに対して人は拒否反応を見せる。田舎町ノースハンプトンの人々は温かい人が多く、以外にもローラはすんなりと受け入れられる。従業員の男性には苦労するけれど、ローラの思いやりある性格に触れ遂に受け入れる。  ドラッグクイーンが履く靴=特殊・理解不能 質の良さと頑丈さが売りの紳士靴を作ってきた工場で、華やかさが売りの靴、作れるのか?? しかし老練の職人達は靴をはく人の特徴を思い描き、そのために必要な靴の性能をすぐさま思い描き設計を始める。胸のすくようなクラフトマンシップ!まさに新商品開発の過程を見るような楽しいシーンだった。 

互いに自分の殻を破ることが出来ず、内心苦しんでいるチャーリーとローラが出会い、お互いに影響されて新しい一歩を踏み出すことが出来た。圧巻のミラノ展示会ショー、チャーリーとローラの仲直り、観客は温かい気持ちと、なんかあたしも頑張ろう~、みたいな元気をもらうことが出来た。しかし、ちょっと気になる・・あの美しい靴の数々。従業員のおばちゃんが説明してくれた、ハイヒールを履くことによって現れる色気の効果!「あたしには無理だな~」と思いがちだけど、思い込みを捨ててちょっとTRYしてみる?なんて思ったりして!

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